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発表資料「デジタルドーム環境の活用ツール」を公開しました

2008.06.04

千葉市科学館で行われた「全国プラネタリウム大会」での発表資料「デジタルドーム環境の活用ツール」の一部を公開しました。これまでの発表資料についてはこちらにまとめてあります。

この発表の中で、現在開発中の全天パワーポイントツール「Quadratura(クァドラトゥーラ)」のプレビューも行いました。平面スクリーンからドーム、立体ドームシアターまで、あらゆるシアター環境で空間を自在に駆使したプレゼンテーションを行える画期的なツールです。

発表では会場側の指定により、あらかじめ録画したデモムービーを紹介しました。その際のムービーがこちらです。

 Mitaka Pro によるドームプレゼンテーション

 ドームプレゼンテーションとリアルタイム歪み補正

これらの映像は、Mitaka Pro 上に Quadratura (全天パワーポイント)を組み込んだ実行例です。Quadratura は Mitaka Pro や Uniview 上に組み込んで利用することも出来ますし、単体で利用することも可能です。光学式プラネタリウムに重ね打ちするプレゼンテーションツールとしても便利です。

Quadratura

これらの映像は操作画面の様子を表しており、実際にはこれに同期してドームスクリーン上で全天周の映像が広がっています。通常の平面スクリーンによるプレゼンテーションと異なり、ドーム空間やVRシアターではスクリーン全体を活用したプレゼンテーションが期待されます。Quadratura ではあらゆるプロジェクター構成やスクリーン形状に対応した、空間全体を活用するプレゼンテーションを支援します。このような環境においても、Quadratura ではドラッグ&ドロップによる素材の追加やドラッグによる表示オブジェクトの移動・拡大など、パワーポイント感覚の直感的な操作が可能です。

既に対応している表示可能なデジタル素材の種類だけでも、画像、ムービー、FITS画像、全天周映像、3Dオブジェクト、文字列、自由描画などと多彩ですが、拡張可能な内部設計により今後さらに多くの素材表示に対応していく予定です。

Quadratura  Quadratura

手元の操作画面では、スクリーンに投影されるのと同じ画角での映像表示の他に、より広い視野で表示と独立に周囲を見まわせる「見まわし表示」、空間全体を俯瞰する「俯瞰視点表示」、全天を一望する「ドームマスター表示」をいつでも切り替えることが出来ます。特にドームマスター表示での素材配置は空間構成に非常に便利です。

Quadratura  Quadratura

Quadratura では映像の全てを、リアルタイムで各プロジェクター用の歪み補正・エッジブレンディングを施して投影します(リアルタイムスライス)。これにより、通常の画像や動画の配置はもちろんのこと、全天周の画像(AllSky)やムービー(ドームマスター)も手軽にドームシアターに投影できます。操作画面単体での利用でも、俯瞰表示やドームマスター表示によって投影の様子をシミュレートしてみることが可能です。また、これら全ての素材はアルファチャンネルによる透過処理が可能ですので、映像を自在に合成することが可能です。全天周ムービー化した映像効果の多重合成など、表現の幅は飛躍的に広がります。この結果をドームマスター形式で書き出して番組にしたり、さらなる合成素材として活用していくことが出来ます。

Quadratura はプレゼンテーションツールとして、ライブショウを支援する様々な機能が用意されています。自由描画(板書)機能では、配置した素材や背景のMitaka/Univiewの映像にペンで直接マーキングやメモ書きを行うことが出来ます。配置した素材のレイアウトはパワーポイントのページのようにプリセットとして記録し、キー操作などで次々と切り替え表示を行うことが出来ます。この際の切り替え効果も、フェードインやワイプなど様々な演出効果を素材ごとに指定可能です。プロジェクターの投影エリアを越えて、スクリーン全体を移動するバーチャルマウスカーソルも搭載しています。将来的には、レーザーポインターの指し示した位置に追従するよう機能強化する予定です。

Quadratura

ドームスクリーンなどの曲面スクリーンや、複数プロジェクターによるマルチ投影の環境において、何よりも悩ましいのは歪み補正、エッジブレンディングなどの投影補正(スライス)です。従来では、長いときでは数日がかりで歪み補正やブレンディングのための調整を行い、さらに長時間をかけて映像の変換(スライシング)を行っていました。それでも、ふとした拍子にプロジェクターの位置がずれてしまうと、これらの作業を全てやり直す必要があるという、大変手間のかかるものでした。Quadratura では、そのリアルタイムスライス機能により、これらの苦労から解放されます。その最たる例として、投影している映像を直接つまんで歪み補正、輝度補正を行うことすら可能です。これにより、ランプ交換などによるプロジェクターのズレや、曲面スクリーンへの簡易設置による投影補正などが簡単に実現できます。

Quadratura によって、ドームプレゼンテーションがもっと簡単に、もっと多彩になります。この夏のリリースに向けて目下鋭意開発を行っております。体験版などもご用意する予定ですので、是非ご期待下さい。

詳細等について、直接のお問い合わせはこちらまで。